2006年06月28日

市民健診(上)

~市の取り組みに矛盾する有料化

酒好きの友人が「しばらくは酒を控える」と宣言する。会社の健康診断で、肝機能の数値に異常を見つけたからだ。中性脂肪率がハネ上がった友人は、休日にウォーキングを始めたりする。健診の結果を受け、ささやかながらも、自分でできるところから食生活や生活習慣を改善しようと試みる。健康はなによりの財産だからだ。

自営業である夫と私は、市民健診を受けている。職場や学校で定期的な健診を受ける機会のない人のために、市はそれぞれの地区の公民館を回り、無料で健康診断を行っている。身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図、胸部レントゲン撮影、問診など検査の内容も充実しており、年に一度の健診日には公民館は人であふれる。昨年からは事前に電話で時間を予約する方法がとられ、待ち時間も少なくなって快適になった。

しかし、この春に配布された市の広報誌を見て、驚いた。ことしから健診は有料とする、とある。七十歳以上の人、非課税世帯の家族など、費用を免除される人たちもいるが、四十歳から六十五歳までの多くは、ひとり千三百円を支払わなくてはならない。無料から、千三百円への移行はあまりにも突然で、負担も大きいのではないだろうか。

資料によれば、対象者から割り出した健診の受診率は平成十年度で30%、以後の六年間で着々と増え続け、十六年度は44%をこえた。ひとりひとりの健康づくりへの意欲が高まり、健診を受けることが健康への第一歩としていかに重要であるかという認識が浸透しつつある。

医療・介護関係の費用が急増している今、財政の危機的な状況を迎える前に、市は「予防」に真剣に取り組みたいという。自分の健康状態を把握し、生活習慣病の予防や病気の早期発見を心がけましょうと呼びかけながら、予防のおおもととなる健診を有料化し、敷居を高くするのは矛盾している。目先の小さなお金を惜しめば、いずれ高額な医療費として出費を迫られる結果になるのではないか。

そんな中、本年度の予算には五億九千万円の市庁舎別館の建設費が計上されている。
(下につづく)。

(東京新聞埼玉版・2006年6月28日掲載)

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