2003年09月10日

生活の中に政はある

~県知事選に思う

投票に行かない人はだいたい同じような言い訳をする。たかが自分の一票で何かが変わるわけでもない。誰が選ばれても同じ、政治には興味がない。

先月31日は県知事選の投票日だった。当日の有権者数は553万2千7百83人。550万なにがしの、そのたった一票となると確かに無力で無意味なような気がしてくる。しかし、そのわずか一票が政治家を決めているのも事実である。何百万票を獲得したといえども、それは間違いなく一人ひとりが投票した一票の集まりにほかならない。

少なくとも東京都や長野県は現在の知事が就任してからずいぶん変わった。誰が選ばれても同じではないのだ。改革を願った一票が石原知事や田中知事を生んだのである。

私たちの生活は、国や地方自治体に守られて成り立っている。誰もが教育を受けられ、整備された道路でどこにでも移動でき、健康保険で病気を治す。政(まつりごと)とはそういうものだ。県政は、国よりももっと身近にある。ダイレクトに、目に見える形で私たち県民の暮らしに降りかかってくる。近くに公園ができた、交番が増えた、おじいちゃんの電車代が無料になった、豪華な大型施設ばかり建設される・・・。生活の中に県の政はあり、それを知ることで政治が近くなる。その政治に興味がないというのは、自分や家族の生活そのものに関心がないと言っているのと同じではないだろうか。

新しい県知事は80万8千と少しの投票数で当選を獲得した。計算してみると有権者数の15%弱になる。政を取り仕切るリーダーは、たった15%の支持で決まるのだ。どうにもおかしな現実がまかりとおっている。納得がいかない。民意の反映とはほど遠い数字に健全な政治を期待できるのか。

政治は投票者によって創られる。投票率が100%になれば、政治家は汚職や派閥に関わっている場合ではなくなるだろう。有権者の暮らしを第一に考える、真の政が行われるはずである。


(東京新聞・2003年9月10日掲載)

by ichiko : カテゴリー:新聞掲載コラム

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