2003年07月16日

自然を満喫できる公共のコースを

札幌の実家に帰省し、パークゴルフという遊びにはまった。六十歳代後半を過ぎた両親が、雪解けを待ちわびるほど熱中しているスポーツである。何がそれほど彼らをひきつけるのか知りたくて、一緒についていったのが始まりだ。

パークゴルフに必要なのはクラブ一本とボール一個だけ。なんと身軽なのだろう。ティーアップの一打からパターまで、すべて一本のクラブで打つ。両親のプレーを参考に、見よう見まねで初のラウンドを終えたときには「もう一回まわろうよ」と声をあげてしまった。木々の生い茂る公園の芝を歩きながら、カップを目指してボールを転がすゲームはなんとも言えずそう快で、楽しいものだった。

1983年に北海道の十勝にある幕別町で誕生したパークゴルフは、今や爆発的な人気を得ているスポーツである。全国に約830のコースがあり、札幌市内だけでも50を越える。「自然を大切に」「三世代(多世代)交流のスポーツ」「安全で楽しいスポーツ」を理念としており、芝の管理に農薬を使わず、カップの穴を埋めて看板をはずせば元の公園に戻せるようにしている。飛ばしすぎによる危険を防止し、年齢や男女の差によるハンディをなくすために一ホールの距離は100m以内に設定している。父と母、私の三人のスコアに大きな差が出ないのはこのせいか。

北海道のパークゴルフ場は、その多くが市町村など自治体の管理する公園や河川敷につくられている。温泉街の丘陵や市内の河川敷、郊外の公園コースで遊んだが、いずれもプレー費はかからない。無料なのだ。芝の上は中高年はもとより、若いグループの楽しげな笑い声であふれていた。

埼玉県は緑の木々や広い敷地に恵まれている。その特性を生かした公共のコースをつくってみてはどうだろう。自然を満喫しながら、クラブ一本の気軽さでだれもが無料でプレーできる、パークゴルフの素晴らしさを広めたい。


(東京新聞・2003年7月16日掲載)

by ichiko : カテゴリー:新聞掲載コラム

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