2002年07月24日

ひとくちコラム

●京都のコンペイトウ

知り合いになったライターさんから「著作を交換しませんか」というメールが届いた。わたしは彼の本をアマゾンで注文しようと思っていたところだったので、物々交換できるならそれはとてもラッキー。本を出していると、ほかのライターさんと交換ができるなんて、実は知らなかった。そうだったのか。

本と一緒にコンペイトウが入っていた。コンペイトウを見るのは小学生以来だと思う。なんだか、とてもなつかしい。送られてきたコンペイトウは、わたしが知っているものよりはるかに上品な形をしていた。小さな小さな粒に、ちっちゃなツノがいっぱい生えている。ツノだらけのコンペイトウ。

なんてかわいいんでしょう、とほめてあげてからガリガリとかじる。トマト、スイーティー、サイダー、ブルベリー、カルピス。こんなにちっちゃいくせにかじるたびにそれぞれの味がしみでてくる。夢中になってガリガリする。

そういえば、『千と千尋の神隠し』に出てくる、石炭を運ぶ「炭(すみ)」たちの食事はコンペイトウだった。真っ黒な炭が色とりどりのコンペイトウを抱えている姿はなんともいえずかわいいのだった。

●陳建一のお食事会

夏と冬、年に二回六本木の四川飯店で「陳建一のお食事会」が開かれる。料理はもちろん、料理の説明や面白いトークまですべてを陳さんが仕切るお食事会だ。狭いお店なのでそんなにたくさんのお客さんは入らないけれど、完全予約制なので早めに申し込んでおくと「生」の陳さんに会える。わたしたちは、去年の冬に続いて二回目の参加だ。

5種類の冷菜から始まり、7品の料理が出る。中華料理は少人数だとたくさんの種類の料理を食べられないが、この会はいろいろなものを味わえるのでとても楽しい。どの料理もほんとうにおいしい。フカヒレの姿煮、魚の浮き袋の四川煮込みという初めての味にも驚くけれど、陳さんの麻婆豆腐を食べてから麻婆豆腐に対する考えが変わった。「麻」は山椒の「しびれる」味の意味だそうで、まさに陳さんの麻婆豆腐は山椒の香りでいっぱいで、びりびりと舌がしびれるのだ。

料理のあとは2種類のデザート。飲み放題(陳さんは太っ腹である)なので、ビールやワイン、紹興酒、ジャスミン茶など好きなだけ飲むことができる。わたしは紹興酒をたらふく飲んだ。

食事のあとには、四川飯店の食事券や8年ものの紹興酒が当たるビンゴゲーム大会がある。陳さんみずから番号を読みあげ、当たった人と一緒に写真なども撮っている。ぜひとも何か当ててみたいものだが、わたしの人生のなかでビンゴゲームで賞品をもらった経験は一度もない。夫も似たようなものである。

陳さんはとても気さくで、にこやかな人である。テレビで見たままの人、というか、実際はそれよりもはるかに明るく、親しみにあふれている。彼の作る料理には、彼の持つ「明るさ」や「元気」がふんだんに込められているような気がする。強火の前で元気に陽気に大きな鉄鍋をふる陳さんの中華料理は、ひとくち食べるごとに力がわいてくる。

●今月の酒

◎日本酒             ◎焼酎黒龍・純米大吟醸しずく      天使の誘惑墨廼江・大吟醸熟成酒       宝山・芋麹全量美丈夫              ちびちび(芋焼酎)はなたれ(麦焼酎)


●今月のうまいもの

「金太郎いわし(大羽いわし)」の刺身。いわしは生では食べたくないのだが、極上のいわしが入ったらしく、「今日これを食べずに帰ったら一生後悔するぞ」というので挑戦。生臭さはなく、あぶらがのっていてとろけるようにおいしかった。

「冬瓜の蟹卵煮」。陳さんのお食事会にて。まるくくりぬかれたひとくちサイズの冬瓜に、蟹卵の濃厚なたれがからまっている。たれがあまりにも豪華でうまいので、どちらがメインなのか悩む一品。冬瓜のやわらかさと、繊維の細かさに感動する。翌日、これを真似て「冬瓜の蟹あんかけ」を作ってみる。冬瓜はおいしかったけれど、蟹の缶詰のたれは改良の余地アリ。

「トマトのアイスクリーム」。これも陳さんのお食事会のデザートに出たもの。ひとくち食べて、びっくりする味。野菜ジュースをうんと濃くしてアイスクリームにしたような味わい。ちゃんとトマトの香りもする。

by ichiko : カテゴリー:エッセイマガジン

made by XHTML, CSS, Movable Type.
© Go Go ichiko. All Rights Reserved.