2002年04月09日

インターネットにも地域間格差がある

三月から私の住む県内の山間地域でもインターネットの常時接続サービスが始まった。月に三千円弱の接続料金を払うだけで、一日中回線を利用できる。

大容量のファイルをダウンロードし、買い物ページでゆっくり商品を眺め新刊情報を読みあさった。接続時間と電話料金を気にして、びくびくする必要はもうない。「やっとここまできたか」というのが正直な感想だ。

ただ、今回導入されたサービスは、既に時代遅れのものである。首都圏では2年ほど前から始まり、今はより高速な回線を利用した接続方法が主流になっている。

「地域間格差は消えた」。

インターネット通信網が普及するにつれ、多くの人がそう言った。中央も地方も、住んでいる場所に関係なく平等に情報を得ることができるのだ、と。でも、それはウソである。

一方は、安価な料金で高速回線を使え、片や、電話料金を気にしながら、のろまな表示にイライラしている。方法が違えば、取得できる情報量にも差が出る。ちっとも平等なんかではないのだ。

昨年末、定例市議会で「山間地への高速回線整備」についての一般質問があった。行政側の回答はこうである。「NTTの整備事業促進にあわせて検討したい」。

民間待ち、という対応だろうが、間抜けな答弁である。民間企業によって高速回線が敷かれたときは、行政の力など借りなくても私たちはサービスを受けられる。

不便なへき地だからこそ、インターネットの利用価値が高い。家にいながらにして買い物や調べものができる。高齢者が多く住むこの地では、介護福祉や遠隔医療を取り込んだIT政策を待っている。

新しいサービスはいつも首都圏から始まる。需要や利益を考えると人口の多い都市部を優先するのは当然だろう。

民間企業のサービスを待てないから、いまこそ行政の助けが欲しいのだ。

(東京新聞埼玉版・4月9日掲載)

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