2008年12月13日
肉と満月とすみっこ
仕事を終えて窓の外を見たらもう真っ暗。
車のキーを握りしめ、急ぎ足で玄関を出た。
きょうは仕事をする日だから、家から出なくてもいいように
きのうのうちに買い物はすませてあった。
白菜、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草、お化けしいたけ、にんじん...
だけど、いまわたしが食べたいのは肉なのである。
肉。なにがなんでも肉。どうしても肉。
あたし肉を買いに行ってきますから。肉を買いに。肉ですよ肉。
二階で行き詰まっている夫に下から大声で叫ぶ。
叫びたい気分。
肉を買うためにわたしは山の中の国道を
街へと急ぐ。
「にくにくにくーっ」と口ずさみながら
オムレツ号の運転席で前のめりになってアクセルに力を入れる。
黒い稜線の向こうにぽっかりと浮かぶ月、満ちてゆく月。
やっぱり。
今宵は野獣の夜、肉の夜。
滴るときに、滴るものを、滴らせるように。
帰ってくると絨毯のすみっこでうずくまる猫。
そんなに広いのに、どうしてすみっこなのか。
爪でぼろぼろに破壊され、
ゲロでべろべろにされるのにもめげずに
夫がことしもまた電気カーペットと絨毯を買ってくるのはどうしてなのか。
わからない。
わからないのは、わたしだけなのか。
猫よ夫よ肉よ満月よ。
by ichiko : カテゴリー:日々のあれこれ
