2008年10月05日

ことしは綱引き

田舎の恒例の行事、秋の大運動会。

いつものようにわたしは「引っ越しリレー」の選手なのだと思っていたら、
ことしは「綱引き」だった。

なんであたしが綱引き、このか弱いわたくしが綱引き、
もしも手がずるむけになったらどーすんの、
ゴルファーにとって手は命なのよ、
ほんとにもう、なんであたしが綱引き。

こころのなかでさんざん毒づきながら
グラウンドの真ん中で
ぶっとい綱を見下ろす。
何年ぶりかしら。
小学校の低学年が最後だったかしら。
それにしてもなんであたしが綱引き。
用意、の声に綱を持ち
ざらりとした手触りに
急に鼓動が速くなる。
どうか手がずるむけになりませんように、
どうか立ち上がるときに転んだりしませんように。
それにしてもなんであたしが、
ぱーんとピストルの音が鳴り、
綱が生き物になった。
のたうちまわる綱を、
ひいた。
ぐいぐいひいた。
ひいてる途中でああこれは勝ったな、とわかった。

総当たり戦だったので、四つのチームを相手にひいた。
二回目は、また勝っちゃったねと周りの女たちと笑みを交わした。
三回目は、つぎも勝ちたいよねともうだれも笑ってなかった。
四回目はひけーっ、ひけーっ、と大声をあげながらひいていた。
四度ひき、四度勝った。

なんであたしが綱引き。
田舎の運動会にはいつもやられる。
毎年毎年、いやいや出かけていくのに、
けっきょくは必死に走ったりひっぱったり投げたりして
帰り道はいつも満たされている。

by ichiko : カテゴリー:山の暮らしぶり

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