2008年06月26日

あたしの盲腸くん

笑ってもいいです。
笑えますから。
ええ、どうぞご遠慮なく。

月曜の夜から腹が痛み出した。
ぎりぎりぎりぎりと腸が腹のなかで歯ぎしりをしているみたいな、
我慢のならぬ痛みだ。

山積みになっている仕事を片づけるまで倒れるわけにはいかないので
火、水曜日は痛む腹を抱え、脂汗を流しながら仕事をした。
大学病院のサイトを作っていた、というのがなんだか皮肉。

腹のあちこち押してみると、右下腹が痛みの発信源のよう。
いよいよやばいな、と焦り、
今朝いちばんに病院に駆け込んだ。

採血、X線、CTスキャンの結果、
盲腸が腫れている、いますぐに手術の必要はないが、
痛みがおさまらないようであれば急性盲腸炎に発展する可能性が大、
とのこと。
とりあえずは薬でごまかせるらしい。

ついでに、腸も全体的に腫れていた。
疲れがたまっているときに脂っこいものを食べ過ぎたり、
暴飲暴食をすると、こうなる場合が多いです、と先生。

あ、ああ、あああー、とわたしは声を上げる。
ちょうど一週間前に台湾に行きました、
暑いさなか歩き回り、へとへとになりながらも脂っこいものを
もう食えないというほどまでに食い、
その合間に山盛りのかき氷を食べました。

すっかり拡張した胃を満たすために、
帰国したあともタイカレーやら寿司やらを
欲望のおもむくままに食べたいだけ、いえ欲求にさらに上乗せした量を
食べ続けていました。

もしかして食い過ぎ?
食い過ぎで腫れてんの?あたしの盲腸。
食い過ぎで腫れてんの?あたしの腸。

台湾で食い倒れ、って、まじに倒れてどうすんだかよー。

ね。
笑えるでしょ。
ばかでしょ。

それにしても、いまの医療はすごいね、
CTスキャンの画像をトリミングしたことはあるけれど、
自分がCTでスキャンされたのは初めてだった。
机の上のモニタにわたしの腹のなかみが映し出される。
腹の輪切り図。
みぞおちのあたりから膀胱らへんまでを輪切りにしたらしい。
盲腸が見える輪切り図を出し、ちょっと腫れているのです、と言う。
マウスでドラッグするたびに、動画のように画像が動き、
腹のなかみがむにゅむにゅと形を変える。
おー、これすごいっ、すごいっすねー、と身を乗り出すと
ではもう一度、と先生はちょっと得意げな顔になって
最初のみぞおちまで戻ってから、むにゅむにゅと変形する輪切りツアーを見せてくれる。
これが肝臓ね、
わ、肝臓っ、あたしの肝臓、元気?
え、まあ、元気でしょう、
こっちは膵臓ですよ、
あたしの膵臓、元気?
はは、だいじょうぶでしょう、
そしてこれは卵巣、
あたしの卵巣も元気ですよね?
ははは。

自分の臓器を見たのも初めてだったので、
思いのほかデカい肝臓とか、なかゆびみたいにひっそりと寄り添う膵臓とかが
なんだかとっても愛しく思えた。
元気?きみたち元気?と声をかけたいような気持ちになってしまうのだ。
でも、盲腸くんはちょっと元気がないの。
それってあたしのせいなの。
ごめんね、盲腸くん。

by ichiko : カテゴリー:日々のあれこれ

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