2008年03月29日
気がかりの、ミルク
月曜日の緊急手術から始まり、5日間。
入院している間、何度か面会に行った。
ケージの奥の壁にぴたりと身を寄せて
怯えながらうずくまるアルちゃんがいた。
きらりと光る鉄の檻。
壁は冷たいだろな、と思った。
腕には点滴のチューブを刺されている。
ふだんは人を寄せ付けない猫なのに
身内に会えてやっぱり安心するのか
撫でたり話しかけたりすると
うれしそうな顔ですり寄ってきた。
となりの檻にも猫がいた。
そこいらの畑をうろついているような駄猫である。
うちの子とはちがい、檻のまんなかでどっしりと箱座りをして
こちら側を向いている。
肝のすわったやつだ。
駄猫のくせに黒い短毛はみごとなほどにつやつやで、
血統書つきのうちの子よりも色つやがよい。
おまけにむっちりむちむちと太っている。
いったい何を食わせているのだろう。
扉に貼られている紙には、小澤ミルク、とあった。
つぎに行ったときにも、小澤ミルクは同じかっこうで
ぶってりと檻の真ん中で座っていた。
目はしっかりと閉じているが寝ているふうには見えない。
じっとなにかを耐えているような、
こらえているような、
あるいは瞑想しているようでもある。
よく見ると、口元にはひとつぶの水滴が垂れていた。
壁にはそれぞれの食餌状況や簡単な病名・症状が書かれた紙が
貼られている。
小澤ミルク、のところを読む。ゲリ・吐。絶食中。
あの体格で絶食はつらかろう。
口元に垂れた水滴はもしかしたら、よだれ。
小澤ミルク、瞑想しているふりをして、
まるまると太ったゴマサバにかぶりつく夢でも見ているのか。
アルちゃんがぶじに退院できたのはうれしいが、
小澤ミルクのことが気にかかる。
その後どうなったのだろう。
ぶじに家に帰れただろうか。
うまいものを、たらふく食っているだろうか。
腹帯をまかれたアルちゃん。
腹膜炎をおこしていたので、あとは腎臓とか感染症とかの心配が残るらしい。
抜糸は一週間後。
なにはともあれ、悪いものは取ってしまったのだから、よしとする。
by ichiko : カテゴリー:ねこと動物たち
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