2007年03月19日

おっさんもおばさんも熱い夜

たとえばあたしがチベットなどに住むことになったとして、
何年かに一度は帰国することになったとして、
それを祝う会を開いてくれるひとがいたとして、
集まってくれるのは、さあて4人ぐらいかしらなどと数えたとして
えっと急ぎの仕事が、とか、うわあインフルエンザが、とか急なキャンセルがあったとして、
じっさいに会えるのは2人ぐらいのように思う。
(誕生日の一件以来いささか交友関係にはネガティブ思考)。

しかし通常はカナダに身を隠しておられる我が松井組のおやびんmatsu氏が来日となると、
去年はざっと20人は集まり、
おやびんてのはやっぱすげえやと驚いていたら、
ことしの会はなんと40人を超えたのさ。
おやびんてのはぁ、やっぱりすげえ。


●まずは「いせや」
40人なんて数が集まったときにゃあ、末弟の身分のあたしなんざおやびんと話をすることさえままならないてもんで、
忙しいなか、本番が始まる前に0次会てことで席をもうけてもらったのさ。
蝦夷から出てきたあたしには生まれて初めて入る店だったけど、
吉祥寺の「いせや」てのはずいぶんと有名らしい。
もくもくと煙のこもる店のなかではおっちゃんやら若いもんやらが
そりゃもう楽しそうに語らってやがる。
わたしたちも負けないさ。
一年ぶりに会うおやびんと、
カナダの西はエスキモーだろうと言い切るおっさんと、
同い年にはとても見えないかっちょいいおっさんと、
それは日本の北、つまり北海道はアイヌだろうと言ってるのと同じだぞと突っ込むシマシマの足のおばさんは、
うまいうまい焼き鳥をほおばりながら語るのさ。

もーさー、つぎの会場に行くのはやめにしてさ、ここにいようよ、ここに、
あるいは40人をここに呼ぼうよ、
とおばさんがだだをこねるほど居心地のいい店でありましたのさ。


●おっさんが輝く「NORO」
いくらシマシマで踏ん張ってもそれはもちろんむりてなもんで、
いやしかし「いせや」もすばらしかったが
本会場となった「NORO」もそりゃもう驚きの空間であり、
こりゃ来てよかった、いせやで踏ん張ってたら大損したぞなもし、
えがったえがったと心底ありがたく思えるような時になり、
あたしがもっとも苦手とする、愛想の良さと社交性の問われる大ぱーちーも
ちっとも苦にならず、
ご歓談のあとには生バンドの演奏なんかがあり、
なにが驚きかってーと、
いまのいままでビール片手にマカロニサラダなんぞをほおばって、
ぜひともマイミクにお願いしますよ、
なんつーてたふつーのふつーのおっさんたちが(し、失礼)、
むんとステージに上がったとたんに別人となり、
歌うわ、叫ぶわ、くぃ~んとギターをなかせるわ、
きんらきんらとまぶしく輝いて、
40人をあやしい熱気の渦に巻き込んで行くてなもんで。
熱いんであるよ、汗が飛び散るんであるよ、どきどきなんであるよ、
ホテルカリフォルニアなんであるよ。

ちなみにあたしは目の前に出されたうまそうな焼酎にはまったく手をつけず、
いつぞやのように肘やひざに謎のあざを発見する朝だけは迎えるまいと、
山奥までの遠い遠い道のりをただぶじに辿り着かねばならぬと、
山の途中で行き倒れていのししに食われちゃってはならぬと、
のんびりのんびりビールを舐めていたわけで、
そんな、ビールを舐めているようなあたしは偽物で、そう、イツワリで、
けれどたぶんみなさまのためにもわたしのためにも
ほんとーのあたしは隠しておいたほうがいいわけで、
ええ、ぜってえーにそのほうがお互いにハッピーなんでありますよ。

酒は入らずとも酔わずとも
熱い熱い夜でありましたとさ。

by ichiko : カテゴリー:美味しい物・酒

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