2007年02月06日
山岳僧、のようなもの
数すくない経験から語っていることを許してもらえるならば、リゾートゴルフというものは軽井沢72であれ三井の森であれグアムスターツであれ、こじゃれているものなんである。リゾートであるからこじゃれているのはあたりまえだ。
こじゃれたゴルフ場は汗をかかずにすむような設計になっている。まず、フェアウェイの幅が広い。どう曲がってもよほどのことがないかぎりはOBなどにはならない。ちょいとはずれたって椰子の木の下を散歩していればボールがみつかるようにオシャレな作りになっているのである。
だだっぴろいうえに平坦である。ずとーんと広がる平らなフェアウェイはどれだけ歩いても疲れることがない。なんだ坂こんな坂で汗をかきまくって化粧がどろどろに崩れるという心配もないからレディーにも優しい。
ほとんどのホールでティーグランドからグリーンのピンが見える。あ、あそこなのね、とすぐにわかる。目指すは広い草原の向こうのあのグリーン。山ねらいで気合いで林を越える、などという計算は必要ない。じつに楽なゴルフである。
しかしわたしはゴルフはつらいものだと思いこんでいる。つらくて、苦しくて、息が切れて、化粧が崩れるどころかトイレに行くと汗でぐしょぐしょに貼り付いたパンツを脱ぐのに四苦八苦するのがゴルフだ。
山裾をまわり、崖をくだり、獣が自分の子を突き落とすような深い谷を越え、スキー場と見間違うような急斜面をよじのぼり、山の中腹に思い切り当てたドライバーショットが狭い狭いフェアウェイに流れてくるのを待ち、自分の背丈がすっぽり埋まるバンカーの底からボールを打ち上げる、それがゴルフだと思いこんでいる。たぶん、わたしが生まれて初めてプレーしたコースが山岳コースだったからだろう。真夏の暑い日にひとに見られぬようにひっそりと泣きながらまわった山のコース。あのとき、ゴルフとはこれぞと脳に擦り込まれてしまったのだ。
さて、きょうは鶴ヶ島ゴルフ倶楽部。
すぐとなりのエーデルワイスゴルフ場を見下ろし、連なる山々のはるか向こうにはビル群が望める。まさに山のなかの山といったコース。崖っぷちのようなティーグランドに立つと、高所恐怖症のわたしは思わずちびりそうになった。ホールとホールをつなぐカート道はまるでビッグサンダーマウンテンみたいにぐいぐい曲がり、ときには迫力の急降下だ。
グアムのこじゃれた軟弱リゾートゴルフはわたしにはどうにも似合わぬ。ゴルフはいったいぜんたいこじゃれたものなのかというところからしてギモンである。無言でひたすら山をのぼり、汗を流して耐える。意外にも山岳僧のようなゴルフがじつは好きなのである。
by ichiko : カテゴリー:さまよえるゴルフ
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