2006年12月28日
未熟ものです
その人はからだじゅうからマイナスの力を放射している。
彼女の状況から考えるにネガティブな方向に傾いてしまうのはしかたないのかもしれないとも言えるけれど、
わたしから見れば同じぐらいプラスも持っている人である。
うらやましいくらいの才能だとか運だとか自由だとか数えればきりがないのに、その人はマイナスばかりをとりあげて、
わたしの前で愚痴を言い、大声をだし、わめき、ときには泣く。
長い間、わたしはその人を避けていた。
もう、マイナスの力に翻弄されるのはイヤだったのだ。
だから、耳を塞ぎ、顔をそむけ、完璧に無視をきめこんだ。
いい加減に大人げないかな、という気がした。
もう一度、許してみようと思った。
いままで、傷つけられては許し、そしてまた傷つけられては許しというのが何度あっただろう。
何度もあったのなら、もう一度ぐらいいいじゃない、素直にそう思えた。
たいへんそうね、だいじょうぶ?
と声をかけた。
だいじょうぶなわけないじゃん、
と彼女はいった。
それから、愚痴をまくしたてた。
大きな声で。
怒鳴るように。
まるでわたしが彼女の大切なものを盗んで、それをこっぴどく叱られているような気持ちになった。
なにも変わってない。
たいへんね、でもがんばってね、
そっとわたしは言った。
それ以外にわたしになにが言えるというのだろう?
間髪を入れずに彼女は叫んだ。
がんばれってなによ、がんばれなんて言わないでよっ、こっちは大変なんだよっ。
ほっぺたをひっぱたかれたみたいな衝撃を受けて、わたしはもうそれ以上なにも言えなかった。
未熟ものでけっこう。
わたしはふたたび耳を塞ぎ、顔をそむけて生きていく。
by ichiko : カテゴリー:日々のあれこれ
