2006年12月05日

がんばんのよっ

10月の運動会、いつものようにわたしは引っ越しリレーに参加し、箱を抱えて順番を待っていた。いよいよ出番、トラックに入って身構えたとき、
いちこさーんいちこさーん、
とわたしを呼ぶ声がした。

すぐ近くの役員席のテントでひとり立ち上がり手をふるおばさん。
いちこさーん、
わたしが気がついたのをみてとって、
ちょっと、あんた、がんばんのよっ、
と叫んだ。

ふつーは、がんばってね、というのが応援じゃなかろーかとも思ったのだけれど、その、がんばんのよっ、というおしかりともとれるようなかけ声におされ、わたしはものすごくがんばってひとり抜かしてみせた。

その、おばさんが、亡くなった。
とうとつに、何のまえぶれもなしに、いきなり逝ってしまった。

見知らぬ土地で、心から話をすることができる数すくないひとのひとりだった。いつもいつも心配してくれて、子どもみたいにかわいがってくれた。ついこないだコンビニで出会って、ゴルフの話をしたばかりだった。

きょうはお通夜。
わたしはおばさんの顔を見るまで、なにも信じられない。でもきっと棺におさまっているおばさんの顔を見たって、受け入れるまでには時間がかかるのだと思う。

あんた、がんばんのよっ、
なんていってくれるひと、

by ichiko : カテゴリー:山の暮らしぶり

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