2006年04月17日
上(かみ)と下(しも)
浮き世につながる「あの橋」を渡って国道に出る。
右を行けば、はるかかなたに街がある。国道は小さな川と寄り添うように走っており、にぎやかな俗世は下流地域だ。
左に行くと、山はますます深くなり、正丸峠を越えると秩父に出る。こちらは上流に向かって走るから、峠を越えるまではひたすら上り坂だ。
ここに住んでいる人は、方角の基点を川に置いているらしく、たびたび、上(かみ)と下(しも)ということばを使う。「○○さんの家はもっと上(かみ)の方だよ」とか、「下(しも)に向かって清掃するんだよ」というふうで、自治会の最小単位である「組」にも、上や下が使われている。ちなみには、うちは「下A組」(笑)。
さて。
きのうは週末の宿題もなく、天気もよかったので、MYジャガーにまたがり、ちょっと遠出をしてみることにした。橋を渡って、左に出る。つまり、上(かみ)に向かってこぐのだ。行きに苦しみを、帰りに極楽を選択する。
とりあえず目指すのは、4キロほど先のつぎの駅。長い上り坂でよろよろしていると、「ギアを変えるんだ!そしてふむ、とにかくふむふむふむ!」と後ろから夫が叫ぶので、いわれたとおりにギアを変え、ひたすらふむ。ハデなヘルメットにぴちぴちのウエアー、競輪選手のような人たちが、ときおり、ものすごい勢いで車道をかっ飛ばして行くのを見ては、あちらの自転車には秘密のエンジンが搭載されているのではないかと思ったりする。
意外にもとなりの駅にはあっさりと着いてしまい、気をよくしたわたしはもうすこし先にある、「奥むさしあじさい館」まで走る。日帰り温泉や宿泊施設などの整った、田舎にしては意味もなくデカいだけの税金建築物だったりするのだけれど、目標地点としては便利なのだった。
ギアチェンジとふむふむを繰り返しているうちに、これもまたあっさりと奥むさしあじさい館にも着いた。うぐいすの鳴く河原に出て、おみやげコーナーで買ったまんじゅうを頬張りながら、「ああ、気持ちがいいねぇい」などといってみる。
正確にはわからないけれど、うちからおおよそ7キロぐらいか。途中の休憩を含めて、ちょうど1時間。いいちこは、だいたい時速7キロ強のエンジンということである。のろいね(笑)。
帰りは極楽のくだり坂、7キロをノンストップで駆け下りる。まだスピードに慣れていないので、ところどころでブレーキをかけてしまうが、それでも30分とかからずにもどってきた。下り坂ってのはスバラシイ。
自分のエンジンで走るというのは、想像以上に楽しいね。つぎは、もう少しさきにある、東京カレーパンの店まで行ってみるぞ。そして、そのつぎは正丸峠だ。上(かみ)を目指して、走るのだ。だっ。
by ichiko : カテゴリー:山の暮らしぶり
