2006年02月28日

コンペちがい

きのうから、夫の仕事関係の人が来ている。

いっしょにはたはた鍋をつつきながら、
「なに、あしたって、ゴルフに行くの?」
と湯気のむこうからたずねてきた。

思わず、客人の顔をぐーで殴りそうになった。
このいそがしいなか、どうしたらゴルフに行けるというのだ、どこからそんな話がでてくるのだ、それにキミはあのプレゼンボードを見たではないか、ようやく完成したボードをみせびらかすわたしに、おお、いいねすごいねとほめてくれたのはつい数時間前のことであるぞよ。

「なにいってんのよー、もー、あしたはプレゼンじゃん、企画コンペなんだよう」
「ああ、そうだった、わりぃわりぃ、だっはっは」
客人はげらげら笑う。

コンペちがい、なのだった。

あしたはコンペです、
といったら、
友人の3分の2は、
「ああ、イノウエはまたゴルフなんだな」
と思うにちがいなく、

「再プレとか書いてたから、仕事の企画コンペの日なんだな」
と考える人は、たぶん、3分の1にも満たないのではないかという気がする。

ゴルフのコンペと、仕事の企画コンペ。
どちらが緊張するだろう、
と考えてみた。
やはり仕事のほうだろうな、と思う。
後続のギャラリーにみつめられながら放つ、早朝の第一打は
息をつめるような緊張感に満ちてはいるものの、
見られているという快感もついている。
企画コンペは、射抜くような、厳しい視線に身がすくむときがある。
けれど、早朝の第一打がきれいな放物線を描いてフェアウェイにのり、
安堵感から気持ちも体もリラックスしてその後もうまくいくように、
はじめのあいさつでクライアントのこころをつかむことができれば、
厳しい視線もやわらかに変わるのもたしかである。

ゴルフのコンペと、仕事の企画コンペ。
どちらが楽しいだろう、
と考えてみる。
いまは、仕事のほうだろうな、と思う。
こんかいにかぎっては。
企画を話したとき、クライアントがいったいどういう反応を見せるのか、どんな顔をするのか、それが知りたい。
たとえ、まったく受け入れてもらえなかったとしても、
そのとき、どういう風が吹くのか、
その場で、それを見られることにわくわくする。

ゴルフのコンペと、仕事の企画コンペ。
あしたはどちらかひとつにしか参加できない、
と考えてみる。
どちらかを選べといわれたら、
仕事のコンペに行くだろうな、と思う。
仕事だから、という責任感からではなく、
企画コンペに出ることをわたしが選びとる。
自分のつくったものを、自分以外の人に見てもらうために、
これはどうなのだ、と問いたいがために、
きょう、わたしは、
夕方の仕事にでかけていくのです。

by ichiko : カテゴリー:仕事あれやこれや

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