2006年02月19日
なぜキャメラマンが
顔にぼかしを入れられているのは、工作員の元部下。いまはその過去を隠し、どこかの工場で働いているらしく、作業服姿の男は、敷地の外の壁を背にして取材に答えている。今朝の「サンデープロジェクト」、北朝鮮拉致特集だ。正面にインタビュアー、若いADとちょっと太っちょのおっさんが男を囲うようにして話を聞く。あれっ、あれれっ、このおっさんてば、夫である。なぜっ、キャメラマンの夫がなんで映っているんだろう、だれがキャメラを回しているんだろう。ふしぎな思いで画面をみつめるうちに、すこしわかってきた。夫はたぶん、急きょ、囲み要員に変身させられたのだろう。元部下とはいえ、すくなからずうしろめたいことに関わっていたとなれば、証言者は取材から逃げたいにきまっている。がっしりとしたガタイで男を威圧し、逃げられないように囲んでいるにちがいない。
夫はほとんど仕事の話をしない。北朝鮮の拉致問題がまだ一般には知られていなかったころ、ある取材からもどった夫はめずらしくその晩のことを話した。乱数表、暗号、拉致、シンガンス。どれも馴染みのない単語で、わたしにはスパイ映画か作り話しのようにしか思えず、じつはあまり真剣に聞いていなかった。数年後、横田めぐみさんの事件を軸に、世間は北朝鮮の拉致の実態を知ることになり、ああ、あのときの取材はこれ、あの話はこれ、とつながった。
いろんな取材を見ていると、興奮した証言者は取材陣に向かってすごみをきかせ、キャメラにものを投げつけ、脅迫じみた言葉をはいたりする。見ているだけでおそろしくてたまらない。いつも、のほほ~んとした夫からは、そういう怖さはカケラほども感じとれない。
by ichiko : カテゴリー:夫、身内について
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