2006年02月05日

立春に友人宅で

お友だちのおうちにお呼ばれする。できたばかりの新築のフローリングに頬ずりし、アイランドキッチンにうっとりし、洗面台の蛇口にさえもため息をもらす。ぽつぽつと人が集まり、広いリビングでわいわいと酒を飲み、友人のつくったおいしい手料理を食べ、げらげらと笑う。時がたつにつれ、ひとり、またひとりと床に崩れる。わたしもころがりたい、寝てしまいたい。ぬくぬくとした床暖が、酔っぱらいを誘惑する。持参した焼酎は、うっすらと底に5mmほど残っているだけ。こんなに飲んでしまったのか。とりあえずタテになっていよう、いちど横になったら二度と床暖から離れられないだろう、帰れなくなるだろう、タテだ、タテを維持するんだ。

床暖の誘惑をふりきり、楽しい宴をあとにして、冷たい風が吹きすさぶ夜の闇に突っ込んでいく。よろめく足で電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、ああ、ご主人の作ってくれたデザートを食べ忘れた、食べたかった、うまそうだったなぁ、悔しいなぁとしつこく悔やみながら、這々の体にて、山にたどり着く。酒はいいなぁ、うまい手料理はいいなぁ、友だちとの語らいはいいなぁ、忙しい日々のなかでささくれだったこころがときほぐれていくのだった。


きのうの焼酎:元老院、吾唯知足

補足:
知足(タルヲシル)は、お釈迦様の「だれもが自らのうちにすべてをもっていることを知るべし」という教えだそうです。理想を追求し、試練に立ち向かうかたわら、あるがままの状況を受け入れて常に満足する心を忘れてはいけない、のだと。そのおことば、ありがたくちょうだいいたしまする。

by ichiko : カテゴリー:美味しい物・酒

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