2005年10月07日
らしくない
美容院にて。
「バッサリとやってください、バッサリ。カラーリングは、全体的に黒に近く、控えめな茶色に変更ね」。
いーんですか、と美容師。
はい、お願いします。
写真を撮るのは好きだけれど撮られるのは苦手なので、被写体になることはほとんどない。つい先日、ひさしぶりに写真を撮られ、客観的に、あらためて自分を見て愕然とした。茶色というよりは色が抜けて黄色に近くなりつつある髪の毛。ロンゲを目指して伸ばし続けている毛先は、傷んでぼさぼさ。これではまるでおつむの軽いヤンキーねーちゃんではないか。いや、それは若く見積もりすぎか。場末の、ビニール張りの赤いスツールにはところどころ裂け目ができている、崩れかけたスナックのちーママか。愛を誓い合ったはずの若いつばめに金だけ持って逃げられて、借金のために身を粉にして働く、ぼろぞうきんみたいな女である。いかん、こんな髪では、いかん。
さて、美容院。
ブローを終え、鏡のなかの自分を見つつ、これから参観日に行くおばさんみたい、と笑う。
「どうしちゃったんですかー、イノウエさん。今年になってからブローするようになったし。なんか、らしくないですよね~」と美容師がいう。
「似合わないですかね」
「う~ん、わたし的には、あのライオンヘアーのほうがイノウエさんはカッコよかったと思うんですよね」
あ、あれね、ライオンね、個性的だとは思うし、なにより洗いっぱなしで簡単だから好きだったんだけど、世間的なウケはよくないのよね。とくに年輩の人には好かれないんだな~、清潔感がないとかいって。だらしない感じがするんでしょうね、ついでにいうと男子からも好かれないかな、えへへ。
「こっちの、ふつーのほうがウケがいいですか」
そりゃそうよ、ライオンよりは品があるし、なんたって無難な髪型が一般的にはウケがいいのよ。毛先を巻き髪風にくるくるっなんてしちゃったら、男子からはモテモテよっ(おおうそ)。
ふつうはよきことである。しかし、わたしにはつまらない。退屈だ。どうも、こう、小さくまとまってきている自分がイヤでもある。ウケ、とか考えているあたりからして、小さい。髪型ばかりではなく。
らしくない。らしくないねぇい。またライオンにもどってみるか。
おまけ:間違いを探せ!
上記の文章には3つの間違いが隠れています。さあ、なんでしょう。
答え:1)控えめ 2)品 3)無難
(「モテモテ」は、含まれません)
by ichiko : カテゴリー:日々のあれこれ
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