2005年09月13日
血みどろのコンペ(自虐)
注意:
お尻、おでき、自爆、流血、トイレ、ゲロゲロなどという単語が出てきます。女が平気でそのような話を公開しても許す、という方だけお読みください。大和撫子がなんてことをっ、汚い話はカンベンしてくれ、血には弱いんだ、という方はご遠慮ください。
いざ、すすまん。
暑い。とにかく暑い。カップにおさまったボールを取ろうと下を向いた瞬間、げろっと吐きそうになるほど暑かった。しかも、スタート時点から待たされるほど混んでおり、午前中のハーフをまわるだけで3時間半もかかった。異常としかいいようがない。
ようやくハーフを終え、レストランに入る前にトイレに寄った。パンツをおろした瞬間、右側の半分が真っ赤に染まっているのを見てぎょっとした。ええええ、なんだこれは。と思う間もなく、ぽた、ぽた、ぽた、と便器のなかに血が落ちる。ぽたぽたぽた。
お尻に手をやる。てのひらは、なまぬるい血でべったりと濡れた。おできが自爆したのだった。
数週間前から、右のお尻におできのようなものができていた。ぷっくりお尻のほっぺた、椅子に座るとちょうどぴたりとあたるところに、ぶつん、と飛び出るものがある。ある夜、シャワーからあがると、ぽたぽたと床に血がたれた。実に色鮮やかな、真っ赤な血が、びっくりするほどたくさん出る。ほうっておいたら傷口は治ったのだが、ふたたび破裂したようである。
なぜきょうなのだ。なぜコンペの日なのだ。なぜ幹事のときなのだ。なぜハーフなのだ。せめてワンラウンドを終わってからにしてくれればよいものを。
ぐるぐるとトイレットペーパーを巻き取り、お尻にあてる。紙の束はあっという間にぐっしょりと濡れ、おさえていた手まで赤く染まる。それを何回か繰り返してから、もう止まったころだろうと立ち上がると、便座から床へ、だらだらと血が垂れた。なんだか寒気がする。寒い。だのに、わたしの顔からは玉のような汗が噴き出している。寒いのか、暑いのか、もうわからない。頭がくらくらする。すーっと気が遠くなる。
洗面所で手を洗う音が聞こえた。「す、すみませーん、誰かいますかーっ。わたし、出血でくらくらでーす、誰か呼んで来てくださいませんかーっ」とトイレのなかから必死に叫んでみる。そこにいた人は、すごく親切なおばさんだったみたいで、「いま、すぐに呼んできます、待っててくださいねっ」とゴルフ場の女性を呼んできてくれた。
紙の束をお尻にあて、便座にすわったままで、そっとトイレのドアを引く。心配そうにのぞきこんだ女性は、若くてとてもきれいな人だったので、おできが自爆しました、とはいえなかった。わたしの顔を見たとたん、「すごい汗です、真っ青です、とにかく救急車を呼びましょう」などというので、まずはレストランで待っている同じ組のおぢさんたちに、午後は棄権することを伝えて来てほしいと頼んだ。
お尻をおさえて待つこと数分。戻ってきた彼女はふたたび「救急車のサイレンを鳴らさずに呼ぶこともできますから」という。いえっ、わたし、カンジなんです、病院に行くわけには行かないんですっ。尻から血を流しながらもカンジにこだわる。カンジなんですぅ~、あふれでる血を見ていると、だんだん声が弱々しくなっていく。若き女性はドアの向こうからあれこれ言葉をかけ、氷の入った水のグラス、濡らしたタオル、生理用ナプキン(そうじゃないのにぃ~)とつぎつぎと差し入れをしてくれた。そのたびに「ありがとふ~」といいながら、ドアをこそっと開けては受け取るのである。
ひとしきり血もできったのか、予備で持っていたLLサイズの救急絆で止血できるようになったので、よろよろとトイレを出る。洗面所の鏡に映った、汗だくの真っ青な顔を見て、さすがにびっくりした。事務所の休憩室に案内され、そこのソファでしばらく横になった。若き女性はクーラーの温度を調節したり、毛布を持ってきてくれたり、涙が出るほどやさしかった。コンペが終わるまでずっと寝てていいですよ、と言ってくれたけれど、心配した夫が「もう先に帰っておれ」というので、自分の車を運転してひきあげることにした。夕方からは、自治会館において表彰式・懇親会がある。このすべてを仕切ることになっているので、それまでには復活しておかなければならん。
家に着いたときにはどこをどう走ってきたのかも覚えていなかった。クーラーをつけ、ソファに横たわるが全身から汗が噴き出してくる。肌寒いのに、カラダのなかが熱い。血は止まったが、こんどは汗があふれてくる。やっぱりきょうのわたしは変だった。熱中症にでもかかったのかもしれぬ。そして、血みどろのコンペは無念にもハーフでリタイアなのだった。
by ichiko : カテゴリー:さまよえるゴルフ
