2005年07月03日

幼稚園児なみ

つい最近まで、両親はわたしを「ちゃん」付けで呼んでいた。さすがにこのトシではまずいと思ったのか、父は「いっこ」、母は名前をそのまま呼ぶようになった。

動物園。サル山にてたたずんでいると、「いっこいっこ、こっちのほうがよく見えるからっ」と父が手をふりながら叫ぶ。はいはい、わかりました。父の横に並ぶ。

この場所が一番よく見えるぞ、あそこにもう一頭かくれているからな、下のやつも写してやれ、父はすべての檻の前でわたしの名前を呼び、デジカメと携帯を両手に持ちながらわたしは呼ばれるほうにぴゅーんと走る。恥ずかしいからやめてくれだなんて、いえるわけがない。

見かねた母が、「お父さん、いい加減にしなさい。いちこがよくても(よくなーい)、周りの人が変な顔をしているじゃないの」と周囲に視線を走らせる。園内は幼稚園児、あるいはもっと小さな子どもを連れた若い夫婦ばかり。どこの檻の前でも、いっこいっこと大声で叫ぶじじいがいる。かわいい孫でもやってくるのかと思えば、はいはいと背後からあらわれるのはわたしなんだから、そりゃもう不気味だろう。えっ?と驚かれるのならまだしも、ぷっと吹き出されたりする。

いくら歳をとろうと、おばはんの領域に入ったとしても、父にとってわたしは永遠の幼稚園児でしかないのだろうね。

by ichiko : カテゴリー:夫、身内について

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