2005年03月05日
そうか飛べるのか
回覧板を持っていったついでに、河原に寄る。ぬかるんだ土手をくだっていると、下流のほうで白いものが目に入った。しまった、いたんだ。気がついたときにはすでに遅く、大きな羽をひろげたシラサギがばさばさと空を飛んだ。
ときおり、河原でシラサギに遭遇する。向こうからやってくることはない。あちらが休んでいるのを知らずに降りていき、ばさばさっという羽の音でシラサギがいたことを知る。わたしがその姿を見つける前に、逃げていってしまう。
野鳥はいろんな種類がいるけれど、やはり大きなものを見かけるとうれしい。シラサギの、優雅にばさばさと空を飛んでいく姿を見ては、この世界にいるのは人間だけじゃないことを知ってなぜだか安堵する。
鳥にかぎらず野生の生き物に出会うなら、大きいほうが楽しい。イモリよりはネコ、ネコよりはタヌキ、タヌキよりはイノシシ。イノシシよりはシカ、というふうに。クマはちょっと困る。
さて、シラサギに逃げられて、しばらく河原でぼーっとしていると、上流からカモが流れてきた。二羽でつるんでぷかぷかと、のんきに流れてきたのだが、わたしの姿をみとめて、あせっている。
ひょこひょこと水をかき、あちらの岸のぎりぎりまで行く。とりあえず、すこしでもわたしから離れるということか。もう流されてはおらず、なんだか落ち着きがない。すっと上流に戻りかけたと思ったら、くるりと回って下に行こうとする。どうやってこの場を切り抜けようか、決めかねているようだ。
どうしよう、ここを通りたいよね、でもへんなやつがいるよね、いやだよね、だけどやっぱボクたちは下に行きたいんですよ。
ふふーん。悩め悩め。わたしはココをどかんぞ。
ほぼ同時に、二羽のカモは水のなかから飛び立った。湿った空に、ぱさっ、ぱさっという羽音が響く。
そうか、飛べたんだね。
by ichiko : カテゴリー:山の暮らしぶり
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