2005年01月28日

行きつけの店で飲む日は

 トイレの掃除をする。毎日やるほどマメじゃないが、行きつけの店で飲む日の朝は「あ、トイレ」といそいそと掃除を始める。

 いっとき、酒に負け続ける時期があった。というよりも人生のいろいろなことがうまくいかず、ヤケになって飲めもしないものをわけがわからなくなるまで飲んでいた。家に帰ると、翌朝までトイレの便器を抱えるハメになる。

 泥酔して帰ったある夜、トイレのドアを開けると、床にざぶとん、ひざかけ、電気ストーブ、そしてかたわらに水の入ったポットとグラスが置かれていた。うしろから夫が得意げに「ゆっくり気のすむまでいるがよろし」などと言う。「お心遣い、ありがとうございます」と頭をさげ、ドアを閉める。苦しみの末、ふと気がつくと、小さな窓の向こうでは夜がしらじらと明けていたりなんかして。

 お酒の飲み方もわかるようになり、人生も多少上向きつつあり、いまではもうトイレで夜明かしすることもなくなった。ああ、そんな夜もあったわよね、と笑って話せるむかしのことになった。

 さて、今晩はいつもの店で飲み会。だいじょうぶとわかっていても、条件反射のようにせっせとトイレを磨く朝なのであった。

by ichiko : カテゴリー:美味しい物・酒

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