2005年01月07日

I hate water!

 冷たい風が吹き抜ける場所で、20分も待たされた。ガイジンというのはどうして時間を守れないのだろう。彼にかぎらず、アメリカ人もイギリス人もニュージーランド人の友だちも、待ち合わせ時間にきちんと来たためしがない。

 人を待たせたにもかかわらず、まるで罪の意識がない。sorry、などと謝るのも聞いたことがない。ひとこと怒らないと気が済まなかったけれど、きょうのところはぐっとこらえた。なにせ、彼とは3年ぶりに会うのだから。

 きょうはメルボルンから来ている友だちを浅草に案内した。彼の奥さんは日本人なので、家族を引き連れて奥さんの実家に正月休みに来ているのだ。

 背の高いオーストラリア人、ミニモニのメンバーになれそうなちびっこの日本人の奥さん、8歳を頭に6歳、4歳といずれも目のぱっちりとしたキュート女の子たち。顔は天使のようにキュートだが、実態は悪魔である。

 子どもたちは、いつも母親の後ろをわらわらとついていく。4歳のやつはおぼつかない足取りで、よたよたとよろけながらも一生懸命についていく。まるでカルガモの親子のように連なって歩く。

 子どもたちとの接触は避けたいので、友人と二人で話をしながらカルガモ軍団の後ろをついていく。はためから見れば明らかにわたしは「4人」の娘の母親である。背の高いガイジンと、ヒールを履いたわたしはちょうど背丈も年齢も釣り合う。本物のミニモニ母親は、ちびっこたちに紛れてまるで子どものようである。

 わらわら、うぎゃうぎゃ、よたよた、と大騒ぎのカルガモと一緒に過ごすのは、たいそう疲れる。そして、不思議なことに、わたしはなぜか昔から子どもに好かれる。近寄ってきてほしくないから、できるだけ話しかけず、構わず、よけいな愛想もふらないようにすることが、子どもには逆に興味の対象になるらしい。ちょろちょろとまとわりついては、よじのぼってきたりする。げげっ、である。

 今回気が付いたのは、わたしの英語力は6歳児と同等レベルであるということだ。読み書きなら、この3人には勝てる。難しい単語だっていっぱい知ってるもんね、あんたこの熟語はわかるかい?てなもんだ。

 しかし、会話では8歳に負ける。なんだか耳慣れない単語が飛び出して、ちょっと戸惑う。そんなときに8歳はあきれたような顔をして日本語に切り替える。そう、3人の悪魔は完璧なバイリンガルなのだ。

 8歳には負けるが、4歳よりは上とみた。6歳と話しているとスムーズに進むので、会話におけるボキャブラリーが同じなのだろう。

 さて、ランチになった。それぞれが食べ始めているのに、4歳だけがテーブルの上のホットドッグを前にじっと座っている。

「どうしたの?食べないの?」
「わたしはオレンジジュースを待っているの!」(英語)
「オレンジジュースなんて頼んでいません。水があるでしょう、水が!ほらっ」と母親がグラスを押しやる。

 そのとき、4歳は叫んだ。ちんまりと座ったまま、腰に両手をあて、いかにも納得できないといった顔をして、叫んだのだ。

「I hate water!!!」

 wと、最後のerは、絶対にわたしには発音できそうにないネイティブなものであった。

by ichiko : カテゴリー:日々のあれこれ

made by XHTML, CSS, Movable Type.
© Go Go ichiko. All Rights Reserved.