2004年12月02日
おのぼりさん的でざいなー
山のなかの生活が心地よくなっていくにつれ、東京に出る機会は激減する。そしてわたしはどんどんイナカモノになっていく。「上京」するたびに、おのぼりさんだわねぇ、としみじみ実感する。
ずっと名前は知っていたけれど、行くのは初めてだった。いつものように携帯電話で乗り換え駅を調べ、周辺地図を保存する。地下鉄の駅をでてから迷う可能性が大なので、30分も時間に余裕をみる。
なんのことはない、階段をのぼって外に出たら、目の前にそのビルがそびえていた。冬の太陽を受けてきらきらと光るビルを見上げてぷるっと震えたとき、ほんのわずかに海の香りが鼻先をかすめていったような気がした。
フリーになって10年、ようやく足を踏み入れることができるのか、とふと思う。あたしなんかが通用する場所なのか。だいじょうぶなのか。ぷるっ、ぷるぷるっ。
まあ、いいか。ダメならダメで。見学ツアーで遊びに来たと思って楽しむことにしよう。そうしよう。
5人しかいないのに、打ち合わせに指定されたのは200人は座れるだろう広々とした大会議室。どこの部屋もふさがっていて、ここしか空いていないらしい。それにしてもね、広すぎるでしょ、いくらなんでも。
なかなか担当者がやってこないので、広い会議室を横ぎり窓辺に近づく。ちょっと失礼、ブラインドに手を差し込んで外の景色など。うへーっ、すごい景色。あれに見えるは東京湾、レインボーブリッジ。観覧車も見えるぞ。富士山はどっちなんだろう、きょうは見えないのか。ふじさん、ふじさん、どこだ。
「どれどれ」というおじさんの声がして振り返ると、それはどうやら担当の方のようであり、「ちょっと待ってね」と言って部屋の隅に歩いていく。パソコンのようなものをちょちょちょと操作すると、だだっぴろい部屋の窓にかかっているブラインドというブラインドのすべてが、しずしずとあがっていくのだった。おーっ、すげーっ。自動であがっていくブラインドに驚き、ぐるりとひらけた外の景色にふたたび口をあんぐり。
すごいですねー、わー、わー、と初めて会う担当者に向かって叫んでいるころには、ビルを見上げてぷるっていたわたしはすでに消えている。お気楽な性格でよかった。しかし、きょう初めて顔合わせをした、いい歳をした女の第一声が「わー、すげー」だなんて、担当の方としてはどうなんでしょう(笑)。
by ichiko : カテゴリー:仕事あれやこれや
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