2004年11月11日

白い一日

今朝、新聞を取りに外に出たら雪虫が飛んでいた。
白い綿をつけた虫が、なんのあてもなさそうにふわふわとあたりを漂っている。

雪虫って北海道にしかいないのかと思っていたけれど、埼玉に越してきてからよく見かける。なんだか、急にきゅーんと北海道がなつかしくなる。

買い物から帰ると、河原のあたりからもくもくと白煙がのぼっている。栗のイガを焼いているのだ。うちの前は広大な栗園で、栗の季節が終わるころにはあたり一面が百円たわし工場みたいになる。茶色のイガだけがごろごろごろごろ残されて。

百円たわし工場の図がわたしは好きなんだけれど、栗園の人たちはそうも言ってられないみたいで、時期がくるとイガを集めて燃やしている。

いつもは栗園のなかで何カ所かにわけて火をつけるので、あっちこっちからのろしがあがり、風向きによってはうちは薫製みたいになる。誰かが文句をつけたのか、栗園の人たちがようやく気がついたのか、今年はすべてのイガを河原のほうに集めて火をつけているようだ。

イガのなかにはまだ栗の実が残っていたりするんだろう。ときおり、ぽんっ、ぽぽんっ、と栗のはぜる音がする。家のなかにいてもぽんっ、ぽんっ、という音は聞こえてくる。栗は大地に落ちるときにもたいそう楽しい音を紡ぎだすのだけれど、最後の最後に焼かれるときにもまた、あいきょうのある音を聞かせてくれる。

河原に行ってみようかな。そろそろ焼き芋ができあがるころなんじゃないのかな。

ふわふわと雪虫が舞い、白い煙がしずかに空にのぼっていく。秋の白い一日。

by ichiko : カテゴリー:山の暮らしぶり

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